Haruka Kitaguchi at the World Athletics Championships Budapest 23 (© Giorgos Foteinakis for World Athletics)
東京2025世界陸上競技選手権大会(WCH Tokyo 25)が、いよいよ9月13日に開幕します。会場となるのは、東京・国立競技場。世界中から集まるトップアスリートたちが、熱戦を繰り広げる9日間が待ち受けています。
各国の代表争いが本格化する中、東京・国立競技場を沸かせるであろう注目の選手10名をご紹介します。
セムボ・アルマエウ(エチオピア) /3000m障害
2022年のオレゴン大会で17歳にして世界陸上デビューを果たしたアルマエウ。現在は20歳となり、U20世界王者、オリンピック・ファイナリストとして実力を磨き続けています。2024年には「ワールドアスレティックス・アワード」で女子ライジングスター賞を受賞。今季はユージーン大会で8分59秒90をマークし、世界歴代15位にランクイン。ドーハとパリのダイヤモンドリーグでも3位に入るなど、勢いに乗る新星です。
Sembo Almayew on her way to the world U20 steeplechase title in Lima (© Christel Saneh for World Athletics)
ベアトリス・チェベト(ケニア) /5000m・10000m
5000mと10000mの二種目でオリンピック金メダルを獲得した長距離の女王。チェベトはトラックとロード両方の世界記録保持者でもあり、昨年5月、ユージーン大会で10000mの世界記録を樹立。その後、バルセロナ大会で5km、そして再びユージーンで5000mの世界記録を更新しました。これまでの世界陸上では、オレゴンで5000m銀メダル、ブダペストでは銅メダルを獲得。25歳のチェベトは、東京で悲願の金メダル獲得に挑みます。
ニーラージ・チョプラ(インド) /やり投
インド陸上界の歴史を変えた存在。東京2020オリンピックでインド史上初となる陸上競技金メダルを獲得し、2023年のブダペスト大会ではインド史上初、さらにアジア人初の男子やり投金メダリストとなりました。今季はダイヤモンドリーグ・ドーハ大会で90.23メートルを記録し、自身のインド新記録を樹立。キャリア初の90m超えを果たしました。
アリソン・ドスサントス(ブラジル) /400mハードル
2022年のオレゴン大会で46秒29の南米記録を叩き出し、世界王者に輝いたドスサントス。世界記録保持者ワーホルム、ライ・ベンジャミンに次ぐ世界歴代3位の記録を持ち、現在も25歳にして最前線で活躍しています。今季もユージーン大会で46秒65をマークし、世界ランキング2位と好調をキープしています。

Alison dos Santos wins the 400m hurdles at the World Athletics Championships Oregon22 (© Getty Images)
アルマント・デュプランティス(スウェーデン) /棒高跳
棒高跳界のスーパースター、デュプランティスは、これまでに世界記録を12回更新しています。初の世界記録は2020年、ポーランド・トルンで6.17m。その後も記録を伸ばし、最新の記録は2025年ストックホルムで6.28mの世界記録を樹立しました。25歳にして、すでにオリンピック(東京・パリ)、世界陸上(2022・2023)、世界室内(2022・2024・2025)で金メダルを獲得するなど、圧倒的な実績を誇ります。
シェリーアン・フレーザープライス(ジャマイカ) /100m
女子短距離界のレジェンド。世界陸上で通算10個の金メダル、オリンピックでも8個のメダルを誇る38歳が、今大会を「最後の世界陸上」として迎えます。2007年の大阪大会でシニア代表デビューを果たしたフレーザープライスにとって、日本は原点とも言える地。「巡り合わせのような瞬間」と語りながら臨む今大会では、有終の美を飾る走りに注目が集まります。
マッティア・フルラニ(イタリア) /走幅跳
イタリア期待の若手、フルラニは、走高跳と走幅跳の二刀流で頭角を現し、2022年にはU18欧州王者に、2023年にはU20ヨーロッパ選手権で走幅跳で金メダル、2024年にはシニア欧州選手権で銀メダルを獲得。国際大会の舞台では、20歳にしてすでにオリンピックの銅メダリストであり、世界室内選手権でも2度のメダル獲得経験を持つなど、目覚ましい成長を見せています。「ワールドアスレティックス・アワード」で男子ライジングスター賞に輝いており、今年の自己記録は8.37mで、世界ランキング2位に位置しています。
グート・グート(オーストラリア) /200m
オーストラリアの新星スプリンター、グート・グートは、わずか17歳にして今年6月、コンチネンタルツアー・オストラバ大会で初勝利を飾りました。昨年12月には200mで20秒04を記録し、オセアニア記録を更新すると同時に、ウサイン・ボルトが持つ16歳での世界最速記録も塗り替えました。今季は20秒02までタイムを縮め、追い風参考ながら19秒84も記録。昨年のリマ2024 U20世界選手権では銀メダルも獲得しており、早くも世界の舞台でその名を知られる存在となっています。
Gout Gout at the World U20 Championships in Lima (© World Athletics Enzo Santos Barreiro)
北口 榛花(日本)/やり投
地元・日本が誇る世界女王。2022年のオレゴンで銅メダルを獲得したのち、翌2023年のブダペストでは66.73mの投てきで見事優勝を果たしました。この記録は自身3番目のベストであり、2023年にブリュッセル大会でマークした日本記録67.38mに次ぐものです。パリオリンピックでも金メダルを獲得し、今季は64.63mを記録してダイヤモンドリーグ・オスロ大会で優勝。東京での連覇と母国開催での金メダルに、大きな期待が寄せられています。
プルデンス・セクゴディソ(南アフリカ) /800m
南アフリカの中距離ランナー。2024年3月の南京世界室内選手権で800mを制し、1分58秒40の南アフリカ記録を樹立。さらに6月のオストラバ大会では1分57秒16の自己ベストをマークしました。この記録はダイヤモンドリーグ・ユージーン大会でも再現され、見事2位に入賞。今季は他にもラバト大会で2位、ストックホルムで3位に入り、東京でも上位争いが期待されます。
世界が注目する東京大会へ
こうしたスター選手たちが一堂に会する東京2025世界陸上。歴史に残る激戦と記録更新、そして新たなヒーロー・ヒロインの誕生を、ぜひその目で見届けてください。
Road to Tokyo