• Sponsors BannerWorld Athletics Partner
  • Sponsors BannerWorld Athletics Partner
  • Sponsors BannerWorld Athletics Partner
  • Sponsors BannerWorld Athletics Partner
  • Sponsors BannerWorld Athletics Partner
  • Sponsors BannerWorld Athletics Media Partner
  • Sponsors BannerWorld Athletics Supporter
  • Sponsors BannerWorld Athletics Supporter
  • Sponsors BannerWorld Athletics Supporter
  • Sponsors BannerWorld Athletics Supplier
  • Sponsors BannerWorld Athletics Supplier
  • Sponsors BannerWorld Athletics Supplier
  • Sponsors BannerWorld Athletics Supplier
日本語

Feature28 Aug 2023


女子やり投・北口榛花が大逆転の66m73で女子フィールド種目初の金メダル獲得!

FacebookTwitterEmail

Haruka Kitaguchi in the javelin at the World Athletics Championships Budapest 23 (© Getty Images)

ブダペスト2023世界陸上7日目の8月25日(日本時間26日)、女子やり投決勝の大舞台で北口榛花選手が劇的な逆転優勝を飾った。メダル圏外の4位で6投目の最終投てきを迎えた北口選手だったが、彼女が最後に放ったやりは66m73のビッグアーチを鮮やかに描き、日本女子トラック&フィールド競技では史上初の金メダルをもたらした。

 

決勝の前に観客に紹介された北口選手は、満面の笑みを浮かべてカメラと観客に向けてキスをしたが、競技後には「予選のときから、とても緊張していました。今回世界ランク1位として臨んで、すごくプレッシャーもありました。」と心中を振り返った。

Haruka Kitaguchi celebrates her javelin win at the World Athletics Championships Budapest 23

Haruka Kitaguchi celebrates her javelin win at the World Athletics Championships Budapest 23 (© Getty Images)

北口選手は今年7月16日にポーランドで開催されたダイヤモンドリーグシレジア大会で67m04を投じ、自身が持つ日本記録を更新し日本新記録をマークしている。この記録は女子やり投の今季世界最高記録であり、世界中から金メダル候補筆頭と目される中で挑んだ今大会でのプレッシャーは大きかったようだ。

しかし、「この世界タイトルを獲得するために重要だったのは、ただ自分を信じることでした。」と振り返る。「私は普段、大会でうまくいかないことがあっても、自分のテクニックを大きく変えることはしません。ただ、もう少し速く走って、もう少し高く投げてみるだけです。」という言葉のとおり、北口選手はそのプレッシャーに打ち勝った。

Haruka Kitaguchi competes at the Olympic Games in Tokyo

Haruka Kitaguchi competes at the Olympic Games in Tokyo (© Getty Images)

北口選手は、オレゴン2022世界陸上女子やり投で日本初のメダルとなった銅メダルを獲得しており、「昨年のオレゴン大会での目標は決勝に進むことで、今回のブダペスト大会での目標は金メダルでした。」と自身が掲げていた目標を、二大会連続で達成している。

そして、日本スポーツ界の新女王が世界タイトルの防衛をかける次の舞台は、奇しくも東京2025世界陸上である。「やり投は日本ではあまりポピュラーな競技ではありません。以前は、誰もこの競技のことを知りませんでしたが、私が銅メダル、そして金メダルを獲得したことで、もっと人気が出ると思います。」と北口選手は語る。 

Haruka Kitaguchi celebrates her world U18 title win in Cali in 2015

Haruka Kitaguchi celebrates her world U18 title win in Cali in 2015 (© Getty Images)

 

また、ブダペスト2023世界陸上では、北口選手とチェコやり投の第一人者、デービット・セケラックコーチの絆も垣間見えた。優勝を決めた北口選手は、トレードマークの弾ける笑顔で喜びを爆発させて外周フェンスに駆け寄り、日本チームのポロシャツに身を包んだセケラックコーチと抱き合い、喜びを分かち合った。

北口選手は、セケラックコーチの下で練習するために2019年に拠点をチェコに移しており、現在は1年の大半をチェコ西部の小さな町ドマズリツェで過ごしている。ドマズリツェの人口は1万1000人、東京より約3718万3000人少ない。

「デービットはチェコ共和国のU23ナショナルコーチです。」と北口は言う。「彼とはもう4年も一緒に練習していますし、どんどん上達しているので、ドマズリツェでも大丈夫です。」、「チェコ語を話せるようになりました。少しね。だからデービットとはチェコ語でコミュニケーションをとっています。日本語、英語、そして今はチェコ語です。」と北口は笑った。陽気な性格の彼女の会話には笑顔が絶えない。

「私はチェコで多くの時間を過ごしているので、ブダペストの決勝でもチェコの人たちが応援してくれていたならいいなと思っています。」、「デービットはスタンドでとても緊張していて、私を励まそうと大声で応援してくれていました。最後のトライですべてがうまくいったと思います。本当に素晴らしかった。大会の最初は泣きそうだったけど、今日だけは世界で一番幸せです。」と想いを語った。

Haruka Kitaguchi celebrates her javelin win at the World Athletics Championships Budapest 23

Haruka Kitaguchi celebrates her javelin win at the World Athletics Championships Budapest 23 (© Getty Images)

北口選手の次の舞台は世界陸上だけではない。ブダペスト2023世界陸上の結果、北口選手は来年のパリオリンピックの日本代表に内定した。オリンピックの女子やり投の歴史は、伝説的なミルドレッド・'ベーブ'・ディドリクソン選手が初代王者に輝いた1932年のロサンゼルス大会までさかのぼる。アジアの女子投てき選手でオリンピックメダルを獲得したのは、2021年に行われた東京オリンピックの金メダリスト、中国の劉詩英(りゅう・しえい)選手のみだ。北口選手も東京オリンピックに出場し、決勝に進出したものの55m42で12位に終わった。2022年以前は、女子やり投げのアジア歴代上位6位を中国の選手が占めていたが、これからどのような歴史が待ち受けているのだろうか。

 

北口選手は、9月8日のブリュッセル・ダイヤモンドリーグ、その2日後にザグレブで開催されるワールド・アスレチックス・コンチネンタルツアー・ゴールドミーティング、そして9月16日にユージーンで開催されるダイヤモンドリーグ・ファイナルに出場予定で、世界タイトルを獲得した今シーズンを締めくくる準備を進めている。

Simon Turnbull for World Athletics

Pages related to this article
AthletesDisciplinesCompetitions