Japanese race walker Hayato Katsuki in Nomi (© Organisers)
3月16日(日)、石川県能美市で開催された第49回全日本競歩能美大会・第109回日本陸上競技選手権大会35km競歩(WA競歩ツアー・ブロンズ大会)で34歳の勝木隼人が自己最高のレースを展開し、2時間24分38秒で見事に優勝。9月に開催される東京2025世界陸上競技選手権の代表に内定した。
レース中は終始雨が降り続き、厳しいコンディションだったが、勝木は31km地点でスパートをかけ、後続を引き離すと、2分近く自己ベストを更新する快挙を達成。最後の1kmでは勝利を確信し、笑顔でフィニッシュした。
女子35km競歩は初挑戦の梅野倖子が2時間46分52秒で優勝。2時間45分00秒の派遣設定記録には惜しくも届かなかったが、2時間48分00秒の参加標準記録を上回る好記録だった。
今回の大会では、35km競歩で2時間26分00秒(男子)、2時間45分00秒(女子)の派遣設定記録をクリアすれば、即時日本代表に内定する重要なレース。
また、全⽇本競歩能美⼤会や⽇本学生20km競歩選⼿権⼤会、さらにはAsian 20㎞ Race Waiking Championshipsが併催され、多くの種目で競技が行われた。加えて、海外からの出場選手も多く、特にオーストラリアの競歩選手たちが存在感を示した。
厳しい気象条件の中での熱戦
レース当日は、気温7℃の寒さの中、朝8時にスタート。雨が降り続く厳しい条件の中で行われた。
スタート直後、日本の有力選手に加え、オーストラリアのリディアン・カウリーやティム・フレイザー、メキシコのノエル・チャマらが先頭集団を形成。5km地点を21分強で通過し、すでに女子選手を周回遅れにする速さだった。
レースが進むにつれ、10km地点では6人のトップグループが形成され、20km地点手前でカウリーと勝木が一時後退。しかし、勝木はすぐに巻き返すも、30km地点では、先頭の丸尾知司とヌニェスが2時間3分15秒で通過し、3位と4位に8秒差をつけていた。
その後、勝木がスパートをかけると、オーストラリアのカウリーが後退。残り3kmは勝木が完全に独走状態となり、2時間24分38秒の自己ベストでフィニッシュ。2位はメキシコのヌニェス(2時間25分08秒)、3位は丸尾(2時間25分19秒)だった。
※日本選手権男子35km競歩の順位は以下の通り
1位:勝木隼人、2位:丸尾知司、3位:髙橋和生(2時間25分45秒)
女子35km競歩では、オーストラリアのオリビア・サンデリーが12月に樹立したオセアニア記録(2時間45分31秒)を大幅に更新。最後の5kmを23分04秒でカバーし、2時間42分40秒の圧巻の歩きを見せた。
対照的に、2021年東京オリンピック銀メダリストのコロンビアのロレーナは序盤から飛ばしすぎ、後半で失速。それでも2時間44分17秒と自己ベストを更新した。
国内選手では下岡仁美が前半に良い歩きを見せたが、梅野倖子が13km地点で追いつき、日本人トップの3位(2時間46分53秒)でフィニッシュ。しかし、日本代表派遣設定記録にはわずかに届かなかった。
※日本選手権女子35km競歩の順位は以下の通り
1位:梅野倖子、2位:下岡仁美(2時間53分18秒)、3位:渕瀬真寿美(2時間55分23秒)
男子20km競歩では、古賀友太が1時間18分48秒で優勝。2月の神戸大会で出した1時間18分26秒に続き、安定した速さを見せた。
一方、女子20km競歩では中国のニン・ジンリンが自己ベストを約3分更新する1時間30分03秒で総合優勝を果たした。国内選手では柳井綾音が1時間30分25秒でトップとなった。
今回の大会は、東京2025世界陸上⽇本代表選⼿選考会として、多くの選手が自己ベスト更新や代表権獲得を目指し、激しい戦いを繰り広げる大会となった。
Paul Warburton for World Athletics
本記事は、[Katsuki claims 35km race walk victory in Nomi](英語)を日本語に翻訳し、編集・構成を調整したものです。
男子・女子35km競歩は、大会初日の9月13日(土)最初の種目です。
スタートフィニッシュは、国立競技場。満員のスタジアムで、大きな声援と大きな拍手で選手を迎えましょう
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